ストロボみたいに

ミルクティー のめません

日記21 神様の恋

神様になりたい。漠然とそう思っていた。それは何かを生み出して、作る側の人間になりたい、ということなのかもしれないし、圧倒的な存在として人から認められたい、縋られたい、祀られたい、崇められたい、という承認欲求のような、そういう感情なのかもしれない。たぶんどっちもある。優位に立ちたいのだ。だからいつもいい顔をする。誰にでもいい顔をする。そんなに上手く生きれないのに。毎日ぼろぼろなのに。疲れてるのに。疲れてるまんま生きてる、というより死ぬ準備をしてるだけなのに。

職場で私は天使だ。いつもニコニコ笑ってて、よく喋って、誰とでも仲良くなれる。業務態度も良くて、お客さんウケもいい。毎日一人はあからさまに私の事を好きになるおじいちゃんがいる。そういえばロリの頃から爺さんにモテた。多分どちらかというと古風な顔立ちだからだと思う。あと女児ウケがいい。まじで女児にモテる。子供にモテる。

脱線した。そんなわけで私は職場で天使をやっている。クソがって思うこと山ほどあるけどもちろんニコニコ笑ってやり過ごす。心の中で中指立てて、腹の中は真っ黒っけのドロドロ。だからなに?良い子じゃん。性格悪いけど人の悪口言わないし。イライラは人にぶつけず自分で片付けてる。生活だって自分でなんとかやってて、自炊もするし、買い物も洗濯も掃除もちゃんとやってる。やってるんだよ。

でも、それでも、自分の事認められないんだよ。肯定なんてできない。なんでだろう。そうやって育てられたからかな。何をやっても、どれだけしても、未だに「何もしてない」って言われるからかな。

君は家庭の呪いなんかしらないよね。それが緑色だってこと。神様になりたい、なんてさ。歪んだ思考で生きてないか。ねぇ今誰と喋ってるの?まだそこにいるの?許せないよ。好きなんだけど。

歪んだ人間が恋なんてしたらドロドロしないわけないじゃん。普通の恋とは違うよ。普通の人がする恋とは違う。神様は恋愛するのかな。でも神話ではあの人たち(人じゃないけど)めちゃくちゃ浮気するし、近親相姦だったり、なんかもうめちゃくちゃなんだよね。神様って案外ドロドロしてるよね。でも神聖なんだ。美しい。それはなぜ?見た目の問題?心?魂?存在?初めから?

神様になりたい。やっぱ抱えて死にたいな。いつか突然いなくなりたい!けど「あの時のあれはああだったのか」ってなるような、小さな破片はいくつか零しておきたい。夜の、月とか星とか街頭とかに照らされてちらちら輝くような、ちいさなブルース。かなしみ、絶望、孤独、不幸、憂鬱。私の全て。

外で人が叫んでる。この辺若干治安悪いなあ。うるせえよ。叫びたいのはこっちだよ。死ね!って、クソが!って、馬鹿!って。ふざけんな、って

ふざけんな、って

ふざけてるよね。○○○さん

いいよ。死んで神様になるから。もう届かない存在だっていつかの春に絶望してよ。そして毎年桜が咲く度に、散る度に、思い出してよ。そうじゃなくてもピンク色を見る度に、私をおもって。愛してる、って呟いて。胸を痛めて。もう戻らない。会えない。後悔して。

後悔、して。