ストロボみたいに

ミルクティー のめません

今更 (2023 5月の下書き)

「もっと自信持って」って散々言われた。

自信なんてあるわけないじゃん。あんな家で、毎日自尊心奪われてくようなことされて、そんな生き方で

じゃあどうにかしてよ

私の人生どうにかしてよ

自信持てって簡単に言うけど

自信ってなんだよ

そんなの肯定されて初めて得るものだろ

友達が「自分のことが好きだ」と言った

自信に満ち溢れてた

普通の、だけどレアケースな良い家庭で育って

大切に育てられたんだなあと思った

 

そうだよ、私は大切に育てられなかった

大切にされなかった

家でも学校でも

ねぇ、なんで気づいてくれなかったの?

なんで大丈夫だって思ったの?

どこが大丈夫なんだよ

大丈夫なわけないだろ

あんな暮らしで

毎日学校に行く前に洗濯物干して、帰ったら宿題して、夕飯作って、お風呂沸かして、洗濯物畳んで、布団敷いて

やってなかったら罵られる

やってもやっても「何もしてない」って言われた!

こんな人生で自信持てとかどうやればいいんだよ!

ふざけんな、ふざけんな、ふざけんな

なんで気づいてくなかったの?

なんだ誰も気づいてくれなかったの?

なんで助けてくれなかったの?

私まだ小学生だったんだよ、引っ越したばかりで、心底、心底心細くて、不安で、寂しくて、頼れる大人とかいなくて、

なんで大丈夫だと思ったの?

大丈夫なわけないじゃん!

大丈夫な時なんか一度もなかったよ

なんで信じたんだよ!

私の事なんて信じてんじゃねえよ!

強がりだって分かれよ!こんな生活大丈夫なわけないだろ!

10才とか11才で家の一番重たい部分背負ってて

それを誰にも零さず生きてきて

なんで私の事ちゃんと見ててくれなかったの

なんで

なんで

なんで大切にしてくれなかったの

 

今もこんなに涙が出るくらい

当時、辛かったよ

誰もいないから

本当は毎日のように泣いてたのに

家に誰もいないから

悲しかった

備え付けのカーペットの感触をよく覚えてる

涙がじょうずにおっこちて染みる様をいつもぼうっと眺めていた

自分の事なのに他人事みたいだった

涙はこぼれ落ちる時、本当にポタポタ音がする

悲しみの音だ

悲しみが流れているのだ

 

母親はいつもスイッチが入ってヒステリックに泣くから

私はけしてそんな泣き方はしなかった

声を出さず

私が泣いてもバレなかった

お母さんは気づかなかった

 

なんで気づいてくれなかったの

お母さんも、先生も

なんで大丈夫だって思ったの?

私大変そうだったじゃん

もっと気にかけてよ

せめて褒めてよ

頑張ってたじゃん

頑張ってたじゃん

 

私、努力って大っ嫌い

地道な努力とか大っ嫌い

心底腹が立つよ

いい加減にしてよ

努力努力って努力がそんなに良い物みたいに言うのやめろよ

報われない努力だってあるんだよ

それ知ってんのかよ

知ってて同じこと言えんのかよ

努力して壊れたんだよこっちは

努力して壊れたんだよ!

頑張ったらぼろぼろになったの!

ずっと、ずっと、ずっと

途方もない時間、頑張り続けて

 

なあ、私の孤独が分かるか?

ランドセルを背負うような子供が、小さな体で、一人きりでさ

どれだけくるしかったか

毎日、毎日、どれだけ、どれだけ

 

罰が当たったんだって思ったよ

地元で過ごしてた頃本当に幸せで

あんなに恵まれてたのにそれに気づかず感謝することなく生きてたから

罰が当たったんだって

「ごめんなさい」って布団の中で泣いてた

「神様、ごめんなさい」って

「私が悪かったです」って

「帰りたい」って泣いてたの

今思い出した

私がごめんなさいっていつも思うのはここからだったんだね

そっか

 

病院に行ってももうだめだし

病院に辿り着くまでがしんどいし、バスにも乗りたくない、外にも出たくない、人に会いたくない、生活する音聞きたくない

 

アイドルがさ、「明日もなんとか生きようね」みたいに言うの

私アイドル大好きだけどたまに凄く嫌いだよ

ううん、本当は割といつもイライラしてる

可愛くてキラキラしてて、なのにそれすら奪うのかよって

私は彼女達のこと何も知らないし、幸せだと限らない

でも

真っ当に努力できることが羨ましいよ

 

言い訳だって思うでしょ

私も思う

もうそれでいいよ

でもね

努力が必ず報われると思ったら大間違いなんだよ

必死に生きてたら、頑張ったら幸せになれると思ったら、大間違いなんだよ

 

努力ばっかキラキラしてんじゃねえよ

 

明るいもの、綺麗なもの、ハッピーエンド、幸せ、みんな

そんなのばっか良いものになってて反吐が出る

馬鹿みたい

馬鹿だよね

そんなんじゃもうダメなんだよ

そんなもの信じられないよ

 

幸せに比べて信用できるのが、不幸の酷くて優しいところ

好きなんだよね

不幸に酔って生きるのに慣れすぎちゃった

そうやって自分守ってた

 

嫉妬とか憎しみとかのが好きだな

綺麗な物嫌いだなー

裏切るから

 

うざいな

目障りなんだよ

キラキラってほんっとムカつく

好きだよ

手に入らない

こんなに欲しいのに

私の物にならないじゃない

なんでだよ

 

おねがいだから、私から春をとらないで

それだけは、それだけはやめて

もういいよ、全部あきらめるから

綺麗なキラキラ、全部あきらめるから

それはやるから

憂鬱とか苦しみとか憎しみとか嫉妬とか劣等感とか絶望とか孤独とか

そういうドロドロした気持ちだけは奪わないでよ

キラキラしててくれよ

ただ綺麗なだけでいてくれよ

ずるいよ

可愛くてキラキラしてるのにそれすら持ってるとか

 

色々あって生きてるとかやめてよ

苦労してるとか、壮絶な人生とか

私より凄いくせに特別なくせに

私より不幸とかやめてよ

可哀想になりたいって思いながら生きてた私より可哀想なのかよ

やめてよ

 

もう疲れたよ

私ずっと「帰りたい」って思ってるんだ

帰りたい

帰りたいよ

帰れないよ

あの家はもう、他人が住む場所だから

もっとちゃんとお別れすればよかった

写真とか残ってないし

でも覚えてるよ

ずっと、ずっと

ずっと覚えてる

 

悲しい過去があっても未来で幸せになれるわけではない

生まれつき人より苦労して生きたとしても人並み以上の何かを得られる訳でもない

それなのにずっと生き続けるなんて

人生っておかしいよね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょうど今くらいの時期

毎年、ばあちゃんちの樹にさくらんぼが実った

家族で収穫して、洗って食べた

甘酸っぱくて美味しい

いつからか食べなくなったこと、数日前に思い出した

引っ越してからだっけ

さくらんぼの樹はまだあるんだっけ

それすら私は知らない

そんなことすら

私が一番好きな果物がさくらんぼなのはきっとここから来ている

全部忘れて、やっと気付く

たぶん、これから先の人生もそんなことばかりだ

 

私は手遅れで、もう助からない

死ぬまで助からない

毎日死にたいって思って生きる

死ぬまで

それがどれほど苦しいことなのかは

私が死んでからしか証明されない

 

私が死んでからしか、全ては始まらない。