ストロボみたいに

ミルクティー のめません

日記26 自爪の犠牲

なんで夜になるとこんなに悲しいんだろう。本当はもうずっと全部どうでもいいんだ。不意に空っぽになる瞬間がある。空隙が生まれた時、なんかもう息ができないような焦燥感に襲われる。本当のことはここにしかない。普通に働いて普通に生活をしてスーパーとかコンビニへ行ってゴミを出してお風呂に入ってメイクして食事をして人と話して笑って楽しい嘘じゃない でも

一番好きな歌手の名前を教えない。隠してるのかな。大事にしてるの。教えたくない。知ってほしい。大嫌い。

どうして大好きと大嫌いはこんなに近い場所にいるのだろう。好きで嫌いだと思う。どんな人も。愛してる。憎い。大好き!大嫌い。

私と同じ熱量で返してくれない人なんて嫌い。

こんなこと考えて明日も普通に起きて仕事へ行く。働いてく。ふとした瞬間に「死にてーーー…」って思いながら。

ボロボロの爪に金木犀の香りするネイルオイルを塗って寝る。キラキラのために、かわいいのために犠牲になった自爪。全てはそう、犠牲の上に成り立っている。美しいものも綺麗なものも希望も夢も。たくさんの犠牲あってこそなのだ。

苦しいから、甘くてかわいいものを買わなくちゃ、そばに置いておかなくちゃ、囲まれてなくちゃ心を落ち着けられない。本当のことは隠さなきゃ。守るために。邪魔されたくない。