ストロボみたいに

ミルクティー のめません

日記⑫ 待ち望んだ場所

なんか最近黒い物が横切っていく。ふわふわした、小さな生き物みたいな。ほこりみたいな。ふと視界の隅でうごいてるのをみつけて、ふわーって、歩いていくようで、「あっ」と思うのだけど、そこには何もいない。そういうことが増えた。ぼーっとしてたら虫の集合体がぐるぐるしながらこっちに向かってくる。これは二年前から見ている。でも最近は、ぽつぽつ、ふよふよそこらじゅうを黒い何かが飛んでいる。飛蚊症かなって思ったけど、違うと思う。常に見えている訳ではないから。

こういうこと言ってもどうせ面倒そうな顔されるだけだし、もう言ってない。疲れた顔して、「じゃあどうすればいいの」って呆れられる。口にしなくても言ってる。そういう人だから。ずっとそうだったから。どれだけ家の事をしても「何もしてない」と言われた。「アンタ達は本当に言われないと何もせんね」って

したところを見てくれないくせに、ちょっと動けなかったらそうかよ、おまえのせいだ、もう本当に、全部

私、たぶん死ぬんだろうな

今じゃなくてもいつか自死するだろう

それまではこうやってなんとか、下がって上がってを繰り返して

いつか本当に戻れなくなるんだろうな

ずーっとこんな生き方してきちゃったから

かなしい。ずっとかなしい

もう手遅れなんだなって

一生、「死にたい」と思いながら生きるんだなって

一日でいいから、「死にたい」と一度も思うことがない人生を生きてみたい

こんなかなしい夢

涙が太腿を流れた。血が、流れている。月一で。ドロドロした物が体の内側から溢れ出てて、ナプキンに張り付いてんのにいつもと同じ顔してられるわけないじゃん。

救急車のサイレンが鼓膜の内側からしてて、頭に響くの。ぐわんぐわんって。それを聞きながらいつか死ぬのかな。やだな。最後は穏やかなのがいい。死んだら一面花が咲く夢のような場所に行くんだ。天気が良くて、そよ風が吹いてて、全部がちょうどいいの。暑くもないし寒くもない。あったかいし、涼しい。そういう所で、寝転がって瞼を閉じるの。死にたいなんて思わなくていい。ああ、やっと、やっと終わったんだって。ずっとそこにいるの。たまに生きてる知り合いの所に遊びに行ったりして、「元気でやっとるかー?」とか様子見に行く。

 

そう、私は思い出になりたい。

全部全部通り過ぎてしまいたい。

そうしたら美しくなれるから

もう、いいの

全部やめにしたいの

終わりにしたいの

どうせ助からないんだから

疲れたよ

 

「あの娘」になりたいの

「あの娘、変わってたよね」とか「大変そうだったよね」って言われて

 

人の気持ちなんて信用できないし

無くしてからそれでもある物じゃなきゃ

永遠は終わってからしかなれない

 

お花畑に行きたいし蝶々にでも生まれ変わるかな