ストロボみたいに

ミルクティー のめません

日記⑧ 恋愛ルート

生まれ変わったら美大生になりたい。こうやって生きてみたかったなみたいな人生の選択ルートがいくつかあって、でも今生の私には難しいからべつの道を歩く。画家の娘に産まれたから幼い頃からずっと絵に触れて生きてきたし、絵を描くのは凄く好きだったけど、それでも画家になりたいとは思わなかった。こんなことにならなければ、いや、高校の時あっちの学科を選んでいたら、ひょっとしたらそんな感じになったかもしれないけど、それくらい近い距離にいたけどそんな簡単じゃないしな。どうせ私の事だからすぐ辞める。少なくとも、『今』の私は。美大なんか絶対苦しい。高校生になりたかったのと似ているのか。それだったらアナウンサーになりたかったこととも似ている。あれになりたい、これになりたい。それになることで得られる尊厳が欲しい。じゃあそれがしたい訳じゃない。私は一体何を求めている?画家なら『絵』アイドルなら『歌とダンス』アナウンサーなら『アナウンス』その人達がやること。それが好きじゃないと続かない。それをしたいって、これがいいって思えなきゃ続かない。だけどそれがある限りはたとえ有名にはなれなくても、続けてさえいれば、「画家」だし「アイドル」だし「アナウンサー」だろう。結局、そうなのだ。つまるところ、突き詰めて、本当の。有名とか、地位とか名誉とか、全部とっぱらって最後に残る好き。それがあれば、だし、それがなきゃ、だ。私はそれが『文章』だった。色々考えるけど結局「好きだから」。まとわりついてくる物はあれど、結局「何をして生きていきたいか」を考えた時、「ずっと文章を書いていたい」と思うから、もうこれ以上の恋はない。だからたぶん、生まれ変わったら恋にならなかったものたちに全力で恋がしてみたいのだ。絵も、アイドルも、アナウンサーはちょっと違うけど、でも憧れるし。今世の私の運命は文章だから。捧げて死ぬよ。あいしてる。