ストロボみたいに

ミルクティー のめません

日記⑤ 桜が見えない

パスタソースはなんで二人前なんだ。パスタは手軽で好きなのだけど、パスタソースのこれにだけは迷惑している。迷惑ってほどでもないけど。スーパーで一番安いパスタソースは決まって二人前で、でもどう考えても一回じゃ使い切らない、から余らせてしまう。その余ったパスタソースを早く使わなければ、というプレッシャーがもうめちゃくちゃに嫌なのだ。頼むから半額で一人前を出してほしい。それともなんだ、私に恋人でもできればいいのか。ああそうか。くそう、虚しい気持ちにさせやがって。とにかくそのプレッシャーが嫌で、だって昼にカルボナーラ食べたのに、夜にまた全く同じ味のカルボナーラは食べたくない。パスタ麺とパスタソースだけのさみしい料理だ。手軽でお安くて、とっても有難いけど、なんかやっぱあんまり気が乗らない。一食でいい。連続はちょっと。

子供の頃カルボナーラが好きだった、ような気がするけど今はあんまり好きじゃない。なんでだろう?普通に美味しいとは思うのに。カルボナーラってなんか気持ち悪い味がする。甘いのかしょっぱいのかよく分からない。曖昧でドロドロしてて、重たくて。…苦手かもしれない。

でもたまに血迷ってカルボナーラを食べたくなる。基本的にパスタソースはミートソースしか選ばない。トマトのサッパリと挽肉の旨味。こうやって書いてみるとカルボナーラとミートソースは対照的だ。いや、私がそう思うだけかも。そうやって血迷って、先日スーパーで四種類のパスタソースの中からカルボナーラを選んで、今日のお昼がカルボナーラだった。で、ソースが余ってる。シンクのすぐ側で、「早く食べないとだめになるぞ、ぼくをむだにしたらお前はダメ人間だ」って脅してくる。じわじわと、確かな存在感が私を蝕む。これが嫌いなのだ。嫌だ。高々パスタソース一つにこんなに文章を書いて、やっぱり私は人より幾分か今日も生きづらい。そうやってちょっとずつズレてだけど一日の終わりへ辿り着く。取捨選択が下手で買い物が苦手だ。スーパーの情報量の多さに耐えられない時がある。買い物一つに物凄く時間がかかる。結局全然決まらなくて、じゃあもう弁当にしよう、と決断して買った20%引きの天丼が思いのほか美味しかった。本当に美味しかったからまた食べたいな。食べたいと思っていた焼き芋も割引になってくれてて嬉しかった。なぜかコーンフレークが食べたくなったのでそれも連れて帰る。

桜が咲いているらしい。世間ではもう、そんな風に。時が流れている。私がまた引きこもりになっている間に、いつの間にか。だけど私の周りに桜はなくて、「どこに行けば桜が見れるのだろう」と最近思う。桜はどこに咲いているのだろう。桜はどこにあるのだろう。できれば散ってしまう前に見に行きたいけど、でもその前に、その前に

私の人生が終わっていますように

多分ならないけど。そっちの方がずっと夢。桜を見るよりも。