日記⑲ はやく髪が伸びますように
十にも満たない歳の頃、「私は長く生きない気がする」と漠然と思った。
あの頃ファミレスではやたら和風パスタを頼んで、きなこが好きで、ジャーキーとするめが好きだった。今はファミレスのハンバーグが好きで、チョコレートやキャラメルやビスケットが大好きだ。
大人になりたかった。ずっとずっとはやく大人になりたいと思っていた。大人にならなきゃと思っていた。なろうとしてなれるものじゃないって知った。そういう意味で、「なりたい」などという気持ちで、なりたいと思う大人には一生なれないって知った。私が夢見てたのは大人なんかじゃないし、人間ですらなかった。
「強くなる」というのは傷付かなくなることじゃない。平気になることでもない。傷付いてそこから、をできるようになることだ。立ち止まったり、蹲ったり、寝込んだりして、それでも尚そこから這い上がること。自分の力にすること。
最近の口癖は「そんなに長く生きる気ないし」だ。
そんなに長く生きる気ないし
働いて、良い顔をして、疲れて、疲れてて、ずっと疲れてて、家では泣いたり笑ったり抜け殻になったりする。見たかった小説や漫画やアニメや映画を見て、未練みたいなものを潰してゆく。
健康ではないかもしれないし、元気でもないけど、まあ、生きてる。
夏が終わったから無双できなくてかなしい。
夏が好きだから、「夏だしね」とかおかしなこと言って全部受け入れられたのに。その魔法、もう効かない。
苦手な季節が近づいてくる。でもチョコレートが食べやすくなるし、ベリー味のスイーツも増えてくる。
生きてたら、の話だけど。まあ生きてるだろうし。
お腹空いたな。もう寝たい。寝るね。
おやすみなさい。