ストロボみたいに

ミルクティー のめません

日記⑪ 逃飛行

きのうからずっと私の携帯は機内モードだ。電話を無視するため。LINEも消した。

人と喋れなくなっている。できていた受け答えがまるでできなくなっている。ただでさえ小さい声がもっと小さくなった。嘘をつけない。頭がぼーっとする。「はぁ」とか「はい」とか「……」とかしか言えない。全部語尾に「?」が付いてくる。

もう動けないし無理だって分かってるのに無理やり体を動かして、結局ダメだった。もう流石にじっとしていようと思う。大人しく、春が過ぎるのを待とう。夏が来たら、きっと。それまではこうして文章を書いて過ごそう。

バックレて、わざわざこんな街まで来たのにただただしんどくて。どこを見ても人がいる。一人になれない。はやく帰りたい。帰ろう。気になっていたお店のカヌレだけ買って帰った。メソメソしながら部屋で、食べ損ねたからあげ棒(2個)とスイートポテトとカヌレを食べた。オレンジジュースで流し込む。カヌレはすごいなあ、と思った。こんなに外はカリカリ、っていうかもはやガリガリで香ばしくって、なのに内側はふわふわしゅわしゅわやわらかくって。甘くて優しい味がする。私はきっと真逆だ。私をスイーツにしたら何になるんだろう。多分、中からドロッと出てくる系の…ベリーとか赤黒いものが溢れてくるやつがいい。ぎゅっと、普段は内に隠してあって、でも呆気なく流れ出てしまう、なんかそういうの。見た目はかわいいのがいいな。

飛行機が飛んでいる。機内モードだから、WiFiの3つの波の隣で飛行機が飛んでいる。もうずっとこうでいいんだけどな

書くのは好きだから。これからもできるだけこういうことを続けて、また動けそうになったら外に出よう。あの場所に帰りたい。星を見たい。流れ星の流れる私の町。悪い町。あいしているのだ。

はやく、はやく